熊本のハウスメーカーSTORY HOUSE営業マン野田です!
まず、この度は熊本地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
弊社も、事務所や従業員の住まい、それぞれの実家など、被害の大きさに差はありましたが、地震の恐ろしさを心底体感しました。さすがに震度7が2回連続でくるなんて予想していませんでした。
熊本地震を経験して考えた私たちにできること
1回目の震度7が来たときは南区の事務所にいたのですが、事務所も書類やパソコンが倒れたくらいですんだので、家族や従業員全員の安否確認を行い、すぐにお客様の建物の状況を確認するために緊急会議を行いました。
その対応もままならないうちに2度目の震度7。さすがにこれは大変なことになったと思いました。
現在建設中の現場、建てたばかりの新築のお客様の家、過去に立てた家、修理やリフォームさせていただいた家、何からどう優先して確認して周ればよいのかリストアップしました。こういう時にどのくらい早く動いて対応できるか、真価を問われると思い頭はフル回転しました。
5月現在の対応状況
震災から20日ちかく経った今でも、修理や調査のご依頼がひっきりなしの状態です。お待たせして申し訳ございませんが、特に緊急性が高い事案を除いて、お問い合わせいただいた順に対応しておりますので、ご理解いただければ幸いです。
地場の企業として私たちに今できること
今、皆さん復興に向けて一生懸命頑張っておられます。
「こういう地震が起こると家を建てる人は相当減るんじゃないの?」など、色々な声も耳にしました。
もちろん、そういうご不安も正しいと思いますし、耐震対策がしっかりできている丈夫な家だったら、震災後もっと早く生活を立て直せたかも知れません。
ハウスメーカーであり工務店である私たちにできることは、正解の出しにくい「どうするのが正しいか」という理想論を語ることではなく、「また震災が来たときに、安心してすごせる場所」をどう作れるか、ということです。
建築屋として、営業抜きで自分だったらどういう家に、どのような対策をするか。というのを真剣に考えてみましたので、ここに書いてみます。
これが完全な正解ではないですが、何よりも命と家族を守ることを優先に考えた意見として、少しでもこれから家を建てたい想いがある方の参考になれば幸いです。
2度の震度7という想定外の地震に対して対策は可能だったのか
今回の地震で全壊、または半壊、その他亀裂が入るなど、多くの方が建物へのダメージを受けました。
地区年数が長く、仕方のない家もあったかと思いますが、比較的新しい家でも倒壊したり、亀裂やゆがみで済んだり、その影響は様々でした。
建物へのダメージに関しては、構造の問題や地震対策問題の他に、揺れの方向など複数の要因が重なったものか思いますが、地震の揺れの方向に関してはなかなか予測できるものではありませんので、ここでは構造に焦点を当てて考えてみます。
新耐震基準と旧耐震基準の家による被害の違い
日経新聞にこういう記事がありました。「熊本地震 「新耐震基準」導入後の住宅に明暗(日経新聞)」
内容を要約すると、すべてではありませんが「新耐震基準」導入以降の建物は倒壊していなかったり、していても被害が少ない傾向にあったようです。
新耐震基準導入以降の建物で倒壊していたケースでは、古い母屋に新しい住居部分を増築した住宅で、母屋から先に倒壊しその影響で新しい部分も崩れてしまっているようでした。
これから新しく家を建てられる方は、すべて「新耐震基準」で設計されるので、今回の益城町の倒壊現場のような崩れ方は単純に考えてしないはずです。
亀裂や部分的な損壊はいかなる構造でも完璧に防ぐことは難しいと思うので、これに関しては、亀裂の入りにくい素材を選んだり、変更の効くパーツを選択することで被害を最小に抑えていくべきだと思います。
新築ではなく、古い家の耐震対策について
既に立っている古い家に関しては、やはり耐震対策を今一度しっかりと見て、できる対策から行った方が良いなと改めて思いました。
ぶっちゃけこういうタイミングで訪問営業してくる会社さんは、あまりお勧めできません。
なぜなら、地場に根付いてちゃんと実績がある会社さんなら、お客様から対応に関する問合せが集中してきているはずで、今はいっぱいいっぱいだったりします。
わざわざ営業マンを出して仕事を取りに行かせる会社は、お客様から依頼が来ないから取りに行っているのかなと。
金額が不当に高いかも知れないのが怖い、というのもさることながら、何よりも便乗商法で乗っかってきているだけのアマチュアな施工しかできない業者だった場合は後が大変です。
営業が来たときには、即断せずに必ず一旦検討されて、知り合いの工務店さんなどがいれば相談されるようにしてください。
お知り合いの業者などがおられない場合は、弊社にご相談ください。
変な売り込みは一切しません、というかそんな余裕はありません^^; 熊本人として復興のために責任を持って対応させていただきます。
新しく、シンプルな構造ほど地震に強い
基本的に、建物でも機械でもそうですが、構造が複雑になるほどジョイント(繋ぎ目)する部分が増え、そのジョイント部分にダメージは蓄積しやすくなります。
今は耐震補強のアイテムもたくさんありますが、そもそも構造がシンプルというのが最も壊れにくいということに変わりはありません。
「家を建てるぞ!」と思った時、その意気込みで盛り上がり過ぎてしまい、大きく広い家、という理想に捉われすぎて安全性を忘れないようにしなければいけませんね。
日本が裕福になるほどに、大きな庭、大きな建物に住みたい、という希望が広がり、それを叶える技術もどんどん開発されてきました。
でも、そういう大きな家にするほど、強度を保つのに、部材もコストもかかります。家は大きくしたいけど、コストは抑えたい、そうなると見栄えの良い外装費にコストが重視され、起こるかどうかわからない災害に関する備え部分のコストが削られるのは仕方のない流れだったのだと思います。これは施工会社がいくら危険を唱えても、施主様がリスクに対して楽観的だと防ぎようが無かったりします。
一度シンプルな家に立ち戻ってはどうか
昔と違い、少子化になり、コンパクトに暮らせる家族構成になってきた今だからこそ、今一度シンプルな家の作りに立ち戻っても良いのかなと思っています。
それが平屋です。
平屋の家で暮らす人達の共通点があるのですが、間取りに無駄がありません。
当然です。余分な広さがない、むしろ狭いので存在するスペースすべてを有効に使いきろうと頭を使うからです。
あなたの家や、ご実家、お友達の家など、いつか使うかもしれないからと何年も眠り続けている部屋がある家はありませんか?
10年後に使うかも知れませんが、10年後には別のライフスタイルに変わっていて、必要なくなるかも知れないのです。
もともと日本人は、今必要な分だけを使い、先々必要になった時は、その時に追加すればいい、というつつましい暮らしができていたはずなんです。
きらびやかで大きくて、誰もが羨む家も素敵ですが、家の隅々まで知り尽くして工夫して活用できる家って良いと思いませんか?
平屋は、シンプルだから、どこにどう耐震をすればいいかも把握できるため、無駄もなく、自分で理解して強度を増すことができます。
自分の家のことをすべてしっかり理解している。これからの家づくりにとってとても大事なキーワードになると思っています。
震災後、弊社にも平屋のお問い合わせ件数が増えました。
耐震を考えてプラン変更を検討される方、住まいが倒壊してしまったから立て直される方、事情は様々です。
こういう震災の後です。私たちも安全性やライフスタイルに関して、しっかりお客様と向き合って提案をしたいと思っています。
職業柄、「自分達の建てた家や建物は大丈夫だろうか?」と心底心配になりました。
そんな思いをしなくてもいい、自信作をお届けしなければと、改めて心に誓いました。
これからしばらくは、家づくりのご相談には耐震に関する不安が付きまとうかと思います。
しっかりとご説明をして行きたいと思っておりますので、ご検討されているかたは、ぜひ一度相談にお越しください。